うつ病で障害者手帳。治療に役立つ3つの制度

こんにちは!ぽんちゃんです。

 

昨年末に全然寝れなくなる状態が長い事続いたので病院に行ったところ「うつ病」と診断されました。

「ウソでしょ?」っと思うと同時に「どおりで寝れないわけだ」と妙に納得してそのまま通院すること半年

本日「障害者手帳3級」を貰いましたので、節目としてあまり知られていないうつ病治療に役立つ制度等について記録しておきます。

 

たまたま私にはうつ病の友人がいたので支援や制度等の存在を知っていましたが、こういった情報は病院も含めて誰も教えてくれません。

まずは「他人事フォルダ」にでも入れておいて、いざ自分や身近な人がうつ病になった時にでも思い出してください。

 

 

 

 

「うつ病」の治療に役立つ制度は大きく3つあり、治療の期間によって申請するタイミングが変わりますので順番にお伝えします。

 

①自立支援医療

「うつ病」と診断されたらいつでも「自立支援医療」の申請ができます。

「自立支援医療」の申請をすると通常3割自己負担している「診察代」や「薬代」が1割に減額されます。
遡っての申請はできませんので早めに申請した方が良いです。

参考までに私は隔週の通院で1回あたり約3,000円(診察代2,000円、薬代1,000円)の医療費が、申請後は1,200円(診察代900円、薬代300円)にまで下がりましたので、1か月3,600円減額されました。

 

申請には自立支援医療申請用の「診断書」が必要なので役所にあるフォーマットをプリントアウトして担当医にお願いしましょう。

「診断書」は5,000円くらいしますが、診断書代を助成する地域もありますので一応調べた方が良いと思います。

 

自立支援医療制度を利用しても会社や友人に知られることはありません

 

 

②障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)

通院して6か月経過しても治っていないのなら障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)の申請が可能になります。

「障害者手帳」と聞くと重く感じるかもしれませんが、「うつ病」の障害者手帳は有効期限が2年なので、期間限定の障害者手帳という特徴があります。

更新も出来ますが新規申請も含めて都度「診断書」が必要になりますので、手帳を持つことによるランニングコストも考えて所持することをお勧めします。

 

ちなみに障害者白書(令和2年度版)内閣府によると障害者964万人のうち障害者手帳を保有しているのは532万人(55%)だそうです。

  障害者人数 障害手帳保有者 手帳保有割合
合計 964万人 532万人 55%
内訳      
身体障害者 436万人 428万人 98%
知的障害者 109万人 96万人 88%
精神障害者 419万人 84万人 20%

中でも「うつ病」が含まれる精神障害者の障害者手帳保有者数は419万人中、84万人(20%)とかなり低いです。

そもそもうつ病で障害者手帳を持てることが知られていないのと、2年毎に「診断書」が必要なのがネックなのかもしれません。

 

障害者手帳を持つメリットは、こちらのサイトが地域別にまとめられていてわかりやすかったです。

shogaisha-techo.com

 

障害者手帳の特典を利用するにあたって「うつ病」を会社や周りにオープンにしているのなら問題ありませんが、クローズで働いている場合、年末調整や確定申告で障害者控除の特典を適用すると役所から会社へ住民税変更の通知が届いてしまい会社に障害者であることが知られるケースがあるそうですのでクローズの方は障害者控除を避けた方が良さそうです。

 

 

③障害基礎年金(障害厚生年金)

通院して1年6か月経過しても治っていないのなら障害年金(障害厚生年金)の申請が可能になります。

年金と聞くと「老齢年金」をイメージしますが年金の本質は保険です。

うつ病でも受給条件さえクリアしていば現役世代でも受給できます。

 

障害年金受給者数を「厚生年金保険・国民年金事業月報(速報) / 令和2年」で見てみると

障害年金受給者 243万人  
内訳 障害基礎年金(199万人) 障害厚生年金(44万人)
1級 71万人 7万人
2級 128万人 23万人
3級 なし 14万人

障害者964万人のうち受給者は243万人(25%)しかいないようです。

「うつ病」でもフルタイムで働けないくらいの症状でないと受給が難しいようです。

 

参考までに日本年金機構『国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン』P.5に「障害等級の目安」という表がありますので「診断書(精神の障害用)」を元に自己診断(実際は医者の診断です。)で自分の等級をイメージすることもできます。

 

障害年金の月額(平均)

厚生年金保険・国民年金事業月報(速報) / 令和2年」を参考

受給月額(平均) 障害基礎年金 障害厚生年金
1級 8.2万円 15.2万円
2級 6.6万円 11.5万円
3級 なし 5.5万円

「厚生年金」に加入しているサラリーマンは障害厚生年金(表右)、それ以外は障害基礎年金(表中)が1か月の受給金額になります。

金額はあくまで平均の額ですが、とても働けるような状態じゃない方にとっては貴重な収入源になりますし、その分治療に専念できると思います。

 

障害基礎年金(障害厚生年金)制度を利用しても会社や知り合いに知られることはありません。

 

 

SDGsで見る障害者

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ほぼ全世界といっても過言でない国連加盟193か国が掲げている持続可能な開発目標(SDGs)には「障害者」について書かれた項目が5つあります。

 

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【4.5】 2030年までに、教育におけるジェンダー格差を無くし、障害者、先住民及び脆弱な立場にある子供など、脆弱層があらゆるレベルの教育や職業訓練に平等にアクセスできるようにする。

 

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【8.5】 2030 年までに、若者や障害者を含む全ての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、並びに同一労働同一賃金を達成する。

 

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【10.2】 2030年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、全ての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的な包含を促進する。

 

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【11.2】 2030年までに、脆弱な立場にある人々、女性、子供、障害者及び高齢者のニーズに特に配慮し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、全ての人々に、安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する。

【11.7】 2030年までに、女性、子供、高齢者及び障害者を含め、人々に安全で包摂的かつ利用が容易な緑地や公共スペースへの普遍的アクセスを提供する。

 

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【17.18】 2020年までに、後発開発途上国及び小島嶼開発途上国を含む開発途上国に対する能力構築支援を強化し、所得、性別、年齢、人種、民族、居住資格、障害、地理的位置及びその他各国事情に関連する特性別の質が高く、タイムリーかつ信頼性のある非集計型データの入手可能性を向上させる。

 

既に2018年4月から 精神障害者の雇用義務化(厚生労働省資料)もはじまり、法定人数(2.2%)の障害者雇用が達成できない企業(従業員数が100名以上)は1人につき年間60万円を国に納めたりと、障害者雇用の背景にSDGsがあるという事はあまり知られていないようです。

 

最後に

SDGsの達成に向けて今回紹介した3つの制度はより活用しやすく改善されていくと思いますので、有事の際にはお住いの地域の最新情報を確認してください。

 

また、障害者手帳を使うとたまに偏見の目で見られるといったブログ記事を目にしたことがありますが、SDGsが達成する2030年にはそのような価値観は今の体罰教師くらい古い価値観になると思います。気にしないように。

 

「うつ病」になったら制度をうまく活用して早い寛解を願いましょう。

 

ぽんちゃんでした。